赤見堂岳（中央）と石見堂岳（左）をバックに
【概要】
エベレスト街道から帰国してはやくも１週間が過ぎようとしている。１カ月も続いたネパール食に慣れてしまったからだろうか。今度は日本食に戻るのに苦労してしまい体調が思わしくなかったがここにきてようやく落ち着きを取り戻しつつあるようだった。そうなると山スキーも恋しくなり軽いスキーハイキングに出かけてみることにした。予定では簡単に姥ケ岳から石跳コースなどを考えていたのだが車を走らせているうちに西ノ平があったのを思いだし急遽変更した。今日のような好天の時はリフトなどを使うよりも最初からシールで歩きはじめる方がよほどいいものだと思い直した。頭上からは燦々と心地よい日射しが降り注いだ。４月下旬とあって雪の状況を心配していたのだがそれは全く杞憂で月山界隈はまだまだ大量の残雪に覆われていた。月山第１トンネルからシールを貼りすぐに登りはじめる。ＧＰＳや地形図もなかったが今日はなんの心配もなさそうである。雪面はなだらかで雪をつないでゆけばどこまでもゆうけそうだった。湯殿山からつらなる南西尾根に上がると雪面はますます広がりを見せはじめる。後ろを振り返れば赤見堂や石見堂がありその後方からは大朝日岳や西朝日岳などの朝日連峰が徐々に競り上がる。ブナの芽吹きにはまだ早いがこうして残雪の山々を眺めているとネパール滞在一ヶ月の間に日本の季節がすっかり移り変わったのを実感させられるようだった。西ノ平には２時間３０分かかって登り着いた。正面には湯殿山が大きくそびえ立つ。残雪はかなり多くまだまだツアースキーなども楽しめそうだったが、ボク達の他に登山者やスキーヤーの姿はなく今日は二人だけの貸し切りのようだった。無風快晴のなかでのランチタイムは心地よく時間の経つのを忘れた。故郷の山々はただ眺めているだけで懐かしく自然と心が満ち足りてくるようだった。
