蔵王沢の対岸には中丸山
【概要】
蔵王ラインからはどこも木立も混んでいてどこから取り付いていいかわからない。しょうがないので地形図をみて一番なだらかな地点から雪壁を登った。次第に斜度が増し小一時間ほどで急斜面となる。ここはラッセルもきつくキックターンの連続。青空と心地よい日射しがあるおかげでなんとか持ちこたえたが悪天候ならばさっさと撤退していた。２時間ほどすると少し勾配がゆるみ登りが楽になる。まだいくらも高度が上がっていないが尾根の南側に進むと前方に中丸山が見えた。中丸山はあんなに高かったのかと思えるほどの威容をみせる。右手にはライザスキー場のレストハウスが望めた。日射しが強いだけに南斜面は雪崩の危険もあるので西斜面へと移動。結局、樹林帯を抜け出すために２時間３０分もかかった。このあたりは平坦部で前方の小高いピークは黒姫リフトの最上部のようだ。ときどきスキーヤーが滑り降りてくるのがみえる。この頃から天候は急速に悪くなりはじめ小雪がちらついてきた。寒さも厳しくポカリはすでにシャーベット。この寒気のおかげか雪は軽いパウダーだった。ゲレンデ近くの樹氷群を縫うように進む。観松平付近はほとんど平坦で滑りの対象にはなりそうにもなく、さらに前方にそびえるはずの地蔵岳は濃霧と小雪に遮られて見えない。モチベーションは急速にダウンして悪天ではこのあたりが限界だろうと引き返すことにした。登りで苦労した急斜面もトラバースを交えながらターンを続けていると高度は瞬く間に下がる。積雪は多すぎるくらいなのだがコース取りは難しい。後半は幾分広めの北斜面を適当にくだってゆくとほどなく蔵王ラインに出た。そこからは黒姫リフト乗り場も近くかなり上部にでたようだった。幸い道路には雪があるのでスキーで駐車地点まで滑ってゆく。あとでわかったのだが結局この区間は1.5kmほどあり所要10分だった。
