エベレスト街道

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11日目 2017年3月30日 ロブチェ(4930m)……ゴラクシェプ (5140m)

頭痛で一晩中眠れず。食欲がなく朝食は梅干し1個をなんとか口にする。吐き気や頭痛がひどいこんな状態はツアーにきて初めてだった。遠藤隊長からダイアモックスを今回初めてもらった。8時にロッジを出発。今日は隊列の最後尾を歩くことにした。周囲には巨大なヒマラヤの山群がぐるっと取り囲む。カラパタールまではあまりに遠くずっと考えないことにしていたのだがいつのまにか目前に迫っているのが信じられない。この次々と現れる絶景には圧倒されっぱなしだ。頭痛と体の不調は相変わらずだったがなぜか涙が止まらないでいる。ダイアモックスのせいか尿がけっこう出た。クーンブ氷河のモレーン上を延々と歩いて行くのだがこのロブチェパスはアップダウンの連続でうんざりするほど。距離も長いうえにかなり歩きづらいのだ。ここはエベレストベースキャンプやカラパタールを往復してきた登山者が大勢行き交う。ときどき日本人に出会うと妙にうれしくなり立ち止まってはお互いに情報を交換したりした。最後の高みを乗り越えて行くと前方にゴラクシェプが見えてくる。ここから先にロッジはなくゴラクシェプはエベレスト街道では最後の村。プモリは巨大な山塊でみているだけで圧倒されそうだ。カラパタールはその麓にあるただの黒っぽい丘にしか見えなかった。13時50分ゴラクシェプ着。食欲は全くなかった。遅い昼食後軽く散歩をしてから仮眠をとる。その後16時にティータイム。18時夕食。カレーライスだったのだがカレールーのみを少々食べる。食堂は各国からの登山者で満員だった。頻繁に外国語が飛び交っている。ふと気付くと臼井さんが自分と同じ様な症状で苦しんでおりつらそうだった。食欲はまったくないようで下痢も続いているのだという。夜は満天の星。明日はいよいよカラパタールのアタック日。起床も4時と早い。冷えピタを額に貼って早めに寝た。


目前にプモリ、その麓にカラパタールがある


長いヤクの行軍が通り過ぎるのを待つ


クーンブ氷河のロブチェパスで休憩
正面はヌプツェ(7864m)
エベレストは左肩だがここからはわずかに見えない
ゴラクシェプまではまだ3時間近くかかる


プモリの麓にカラパタールが見えてきた
それにしてもプモリはあまりにでかい
ヒマラヤの巨大な山群にあらためて圧倒される


ゴラクシェプのロッジに到着
奥にカラパタール(手前の黒い丘)とプモリ


このロッジに「神々の山巓」の撮影隊も泊まった
ロッジ内には出演者によるサインがあった