エベレスト街道

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20日目 2017年4月8日 パンボチェ(3960m) …… ポルチェ(3800m)

早朝からヤクの鈴の音が聞こえていた。タムセルクやカンテガが朝日を浴びて輝く。絶壁につけられた山道は標高も高く展望が抜群。眺める風景はなんとなく日本の農村を思わせた。左岸にディボチェ村とタンボチェ村を見下ろしながらのアップダウンの道が続く。朝から何機ものヘリが飛びかっている。昨日出会ったトレッカーが多かっただけに高山病のためヘリで下山する人も多いのだろうと遠藤隊長が説明してくれる。11時45分ポルチェ着。一昨年の地震により倒壊したロッジが何カ所かで建て替え中。遠藤(敏)さんによると去年訪れたときからほとんど進んでいないとのこと。なにしろネパールには電動工具などはないので石を削ったりするのは全て手作業なので完成まではこれから何年かかるかわからないらしい。初めに案内されたロッジで昼食をとっているとここにはストーブがないことが判明。夜間は氷点下にもなるというのにそれではあまりにひどいではないかと全員でデイリさんに懇願。各部屋への荷物運び入れなども完了しておりいまさら変更は無理と拒否されたのだがなんとか変更してもらい事なきをえる。代わりのロッジは村のはずれにありかなり歩かなければならなかったがとりあえず一安心。そのロッジではトイレが外付けだった。ポルチェではみな外トイレなのだろうか。しかしこの時期のストーブだけは外せない。なにしろ夕食を済ませてから就寝までのひととき、ストーブで体を温めてからでないととても冷たいシュラフになど潜り込めそうもないのである。窓からみると相変わらず風が強く砂も舞い上がる。とても散策に出る気分などにはなれなかった。そんな様子をみてかどうかはわからなかったが今日からアルコール解禁とするとの遠藤隊長の宣言があり一同は大喜び。おのおのツマミを持ち寄り午後2時頃から食堂で飲みはじめる。ネパールでのウイスキーというとラム酒しかなく2500ルピーで共同購入(750cc)。今晩からは完全な下山モードに突入した感じだった。


朝のタムセルクとカンテガ(部屋の窓から)


清々しい朝の山歩きがまた始まります


絶壁に切られた山道
ここを何十頭ものヤクやトレッカーが行き交う


急斜面では野生の山羊が食事中


眼下に今宵の宿ポルチェが見えてくる
この村はネパールのマチュピチュと呼ばれている


2年前のネパール地震によりロッジの大半が倒壊したため再建中


あらたに村の端から端まで移動してきました
明日はここから谷底へと下って行きます


ロッジ内部
簡素なベッドと毛布だけ
厚手のシュラフがなければ寒くて眠れない


このロッジはパンも販売していた
この食堂でアルコール解禁となった